「シンタマ」という牛肉の部位をご存知でしょうか?焼肉屋や肉専門店で目にする機会はあっても、どこにあるのか、どんな特徴があるのかは意外と知られていません。
- シンタマの部位位置や構造
- サブ部位ごとの特徴
- 焼肉やステーキとの相性
- 調理法やレシピ例
- 価格やおすすめの購入先
本記事では、牛肉の赤身部位「シンタマ」について、部位ごとの特性や調理のコツ、価格や使い道まで徹底的に解説します。赤身肉好きの方や肉選びにこだわる方は必見の内容です。
シンタマとは?部位の位置と特徴を徹底解説
シンタマとは、牛の後脚(モモ)の内側に位置する赤身の部位で、筋肉質で脂肪分が少ないのが特徴です。シンタマは「芯玉」と書き、全体として楕円形で丸みのある形をしています。この部位は運動量の多い脚に属するため、肉質がしっかりしていて歯ごたえも良好。焼肉やローストビーフ、煮込み料理など幅広く活用されています。
シンタマは牛のどの部位?
シンタマは、牛の「モモ」に分類され、その中でも後脚の中心部分に位置します。具体的には「内モモ」や「外モモ」などの部位の近くにあり、赤身肉の代表格です。一般的に、シンタマは一頭の牛から約8〜9kg程度しか取れない希少部位とされています。
シンタマのサブ部位構成
シンタマは以下の4つのサブ部位に分けられます:
- トモサンカク:脂肪が程よく乗り、焼肉やステーキに最適
- マルカワ:歯ごたえのある赤身で煮込み料理に向く
- カメノコ:筋が少なくしっとりとした食感が特徴
- シンシン:シンタマの芯に当たり、肉質がきめ細かい
これらの部位ごとに味わい・食感・脂の付き方が異なるため、調理法の選定も重要です。
シンタマの肉質と味わい
シンタマの最大の特徴は赤身の旨味と柔らかな歯ごたえにあります。運動量が多い部位のため、脂は少なめですが、筋繊維がしっかりとしていて濃厚な味わいが楽しめます。特に中の芯に当たる「シンシン」は、ローストビーフやタタキに使われることも多く、きめ細やかな肉質が特徴です。
他の赤身部位との違い
赤身肉の代表格には「ウチモモ」「ソトモモ」「ランプ」などがありますが、シンタマはこれらよりも部位ごとの個性が際立っているのが特徴です。例えば、ランプは全体的に柔らかくてあっさりしている一方、シンタマはサブ部位によってしっかりした噛み応えや脂のバランスが楽しめます。
シンタマの脂肪と筋のバランス
シンタマ全体は赤身中心ですが、トモサンカクには適度な脂が含まれており、ジューシーな食感が楽しめます。一方でマルカワやカメノコは脂が少なめで、あっさりとした味わい。筋は部位によって多めな部分もあり、料理に応じた下処理が必要です。
シンタマの主なサブ部位とそれぞれの特徴
シンタマの魅力は、その4つのサブ部位にあります。部位によって食感や味の個性が異なるため、調理法を変えることでさまざまな表情を楽しむことができます。
トモサンカクの特徴と使い方
トモサンカクは、シンタマの中で最も脂が乗っている部位で、焼肉やステーキに最適です。肉の繊維はやや粗めですが、ジューシーさが際立ち、香ばしく焼き上げることで赤身と脂のバランスを堪能できます。
【調理のポイント】
- 表面を高温でしっかり焼き、中心をレアに仕上げる
- 焼き過ぎると硬くなりやすいので短時間加熱が理想
マルカワの用途と特徴
マルカワは、繊維が太く歯ごたえのある部位で、しっかりとした噛み応えが魅力です。脂は少なく、淡泊ながら旨味が強いことから、カレーやシチューなどの煮込み料理に重宝されます。
また、細切りにして炒め物にも向いており、味付けの幅も広がります。
カメノコの食感と味わい
カメノコはその名の通り亀の甲羅のような形状をしており、肉質がややしっとりしていて繊維が細かいのが特徴です。筋が少ないため柔らかく、ステーキやしゃぶしゃぶにしても美味しくいただけます。
特に和風の味付けやタタキにも合うため、汎用性が高い部位です。
シンタマは焼肉に向いてる?調理法と相性
赤身の代表格ともいえるシンタマは、脂肪分が控えめながら旨味が強く、焼肉との相性が非常に良い部位です。特に部位ごとに異なる焼き方を意識することで、より美味しく仕上がります。ここではシンタマの焼肉適性と調理ポイントを詳しく解説します。
焼肉でのシンタマの評価
焼肉店では、トモサンカクやカメノコといったシンタマ由来のサブ部位が「赤身好き向け」として人気です。柔らかさ・ジューシーさ・歯ごたえが部位によってバランス良く組み合わさっており、脂が苦手な方にも支持されています。
サブ部位 | 焼肉での適性 | おすすめの焼き方 |
---|---|---|
トモサンカク | 非常に高い | 強火で表面を焼き、レアで仕上げる |
カメノコ | 高い | ミディアムレア〜ミディアムが理想 |
マルカワ | 中程度 | 薄切りでタレ漬け焼きがおすすめ |
下処理や切り方のコツ
シンタマの美味しさを最大限に引き出すためには、筋の除去と繊維の方向を見極めたカットが重要です。
- 筋が多い部位(マルカワなど)は包丁で丁寧に筋切りを行う
- 肉の繊維と垂直に切ることで柔らかい食感をキープ
- 厚切りする場合は焼きすぎに注意
特にローストビーフやステーキにする場合は、切り口の美しさと柔らかさを両立させるカット技術がポイントになります。
相性の良いタレ・味付け
シンタマは味が濃く赤身の旨味が強いため、醤油ベースや塩だれといったシンプルな味付けが相性抜群です。
- 赤身本来の味を引き出す「塩+山わさび」
- やや甘めの醤油だれに軽く漬け込む
- 胡椒・ガーリックを効かせた洋風スパイス
あっさりしたタレで焼くと、肉の風味を活かしつつさっぱりと食べられるため、女性やシニア層からも支持されています。
シンタマを使ったおすすめ料理とレシピ
シンタマは赤身ならではの旨味と汎用性の高さから、さまざまな料理に使える万能な部位です。ここでは家庭でも再現しやすいおすすめのレシピと、料理ごとのポイントを紹介します。
ローストビーフに使える?
答えは「YES」。特にシンタマの中心部にある「シンシン」は、きめ細やかで均質な赤身が特徴で、ローストビーフに最適です。
【ローストビーフの調理手順(簡易)】
- 常温に戻したシンシンに塩・胡椒をすり込む
- 表面をフライパンで焼き固める
- アルミホイルで包んで低温(70〜80℃)で1時間
- 冷蔵庫で1晩寝かせ、薄切りにして完成
シンタマステーキの焼き方
カメノコやトモサンカクはステーキにしても絶品です。脂が控えめなため、焦げ付きにくく焼きやすいのも魅力。
【ステーキの焼き方ポイント】
- 肉を厚め(2.5cm以上)にカット
- 強火で両面を短時間焼き、アルミで休ませる
- ソースはバター醤油、赤ワインソースなどが好相性
カレー・シチューでの使い方
マルカワなどのやや筋のある部位は、煮込むほどにコクと旨味が引き立つため、カレーやビーフシチューに向いています。
【煮込みレシピの工夫】
- 30分以上じっくり煮ることで筋が柔らかくなる
- 一晩寝かせると味が染み込み美味しさアップ
- ローリエやセロリで臭みを抑える
トマト系ソースとも相性が良く、洋食メニューに取り入れやすいのも特徴です。
シンタマと他の部位の価格比較と入手難易度
シンタマは赤身部位の中でも品質の高い肉質を誇りながら、比較的手ごろな価格で購入できるコストパフォーマンスに優れた部位です。ここでは、シンタマの市場価格や流通状況、他の部位との価格・入手難易度の違いを詳しく紹介します。
シンタマの市場価格帯
シンタマは1kgあたり2,000〜3,800円程度で販売されており、サブ部位ごとに価格が異なります。特に人気の高い「トモサンカク」や「シンシン」は価格がやや高く、希少性のある赤身部位として評価されています。
部位 | 価格帯(/kg) | 評価 |
---|---|---|
シンシン | 3,000〜4,000円 | ローストビーフ向けで人気 |
トモサンカク | 3,500〜4,200円 | 脂乗りが良く焼肉向け |
カメノコ | 2,800〜3,500円 | ステーキに最適 |
マルカワ | 2,000〜2,800円 | 煮込み向けでコスパ良好 |
入手できる精肉店・通販
シンタマはスーパーにはあまり流通せず、精肉専門店や通販サイトでの購入が一般的です。特に、業務用卸の通販サイトではブロック肉として販売されていることが多く、自宅用にも人気が高まっています。
- 精肉専門店:対面で部位ごとの説明が受けられる
- 通販サイト:種類が豊富で、希少部位も選べる
- ふるさと納税返礼品として取り扱いもあり
個人でも簡単に手に入るようになっており、料理好きな方にとっては嬉しいポイントです。
他部位とのコスパ比較
サーロインやヒレなどの高級部位と比べると、シンタマは価格が安く、かつ美味しさも十分にあるため、非常にコストパフォーマンスに優れています。
- ヒレ:100gあたり700円以上 → 非常に柔らかいが高価
- ランプ:100gあたり400円前後 → あっさりだが食感はやや弱め
- シンタマ:100gあたり250〜350円 → 赤身の旨味と柔らかさが両立
「高級すぎず、でも美味い肉が食べたい」という人にこそ、シンタマは最適な選択肢となります。
シンタマはどんな人におすすめ?向いてる用途とは
シンタマは、赤身肉を好む方や健康志向の方、さらには調理の工夫を楽しみたい料理好きにまで、幅広くおすすめできる部位です。ここでは、どんな人に向いているのか、具体的な活用シーンと共に解説します。
赤身肉好きには最適
シンタマは脂が控えめな部位なので、赤身肉の旨味をダイレクトに味わいたい方におすすめです。中でも「トモサンカク」は脂がややあるため、赤身と脂のバランスを楽しみたい方にも最適です。
特にヘルシー志向の方にとっては、脂肪分が少なく、たんぱく質が豊富なシンタマは理想的な肉と言えるでしょう。
家庭料理に使いやすい理由
シンタマはカット方法や調理法を工夫することで、家庭料理にも使いやすい万能部位になります。
- カレーや煮込み料理で旨味を引き出す
- 低温調理やローストビーフでしっとり仕上げる
- 炒め物やステーキでボリューム満点
部位によっては「筋切り」「スライス」などの簡単な処理が必要なものもありますが、それもまた料理の楽しさのひとつ。調理スキルを上げたい方にもおすすめです。
プロが語るシンタマの魅力
料理人や肉職人の間でも、シンタマは使い勝手の良い赤身肉として高い評価を得ています。プロの視点から見ても:
- コストパフォーマンスが非常に良い
- 部位によって調理法を変えられるのが楽しい
- 比較的安価で品質が安定している
特に焼肉店やローストビーフ専門店では、希少な赤身肉として高級メニューにも使用されています。
「赤身肉の真骨頂が味わえるシンタマ」は、食卓を豊かにしてくれる実力派の部位。日常的な食事から特別な日の一品まで、幅広く活躍してくれる存在です。
まとめ
「シンタマ」は牛の後脚の付け根にある大きな赤身部位で、4つのサブ部位に分かれます。脂が少なく赤身の旨味が凝縮されているため、焼肉やステーキ、ローストビーフなどに最適です。
部位ごとに異なる食感や風味が楽しめることから、赤身肉を好む人や健康志向の方に特におすすめです。価格も比較的手ごろで、通販や精肉店での入手も容易です。
料理の幅も広く、調理法を工夫すれば家庭でもプロ並みの味を引き出せるのがシンタマの魅力。部位にこだわる肉選びをしたい方は、ぜひ「シンタマ」に注目してみてください。